FU-KOさんの作る服(美濃羽まゆみさんインタビュー)

FU-KOさんの作る服(美濃羽まゆみさんインタビュー)

parkにて、6月23日(土)から始まる「思い出をつくる服 FU-KO Basics.展」。
FU-KOさんこと美濃羽まゆみさんの作る素敵な洋服を東京の方々にも知っていただきたい。とにかく、その想いでこの展示会の開催を企画しました。今回は、展示会のためのサンプル商品を準備中のFU-KOさんにお話を伺いました。

FU-KOさんのお洋服作りの始まりはご自身の娘さんのためのお洋服から始まりました。
個人的な制作だったスタートから、さまざまなお洋服が生まれていきました。
どのようにして今のように活動がひろがっていったのでしょうか。

FU-KOさん :
もともと手づくりすることは好きでしたが、ざっくばらんな性格のため、洋裁はどちらかというと不得意だったんです。細身で肌触りにうるさかった、現在11歳になる娘のために洋服作りをはじめ、やがて「親子でおそろいを楽しみたい」というリクエストに答える形で大人服も作り始めました。
5年前長男も生まれたので、それからは男女どちらが着てもかわいいユニセックスな子ども服作りも手がけるようになりました。
「自分がどうしてもこれが作りたい」というよりは、「この子にはこんなデザインが似合うだろうな」とか、お客さまやクライアントさんの「こんなのがあったらいいな」という希望に応えるかたちで、今の仕事のスタイルが出来上がってきたように思います。

park | 思い出をつくる服 FU-KO Basics.展
 
FU-KOさん :
着るひとの魅力を邪魔しないよう、生地の良さが生きるよう、流行廃りのないシンプルなデザインのなかに、ほんのり光る個性をプラスすることを心がけています。
毎日袖を通したくなるように、着心地にもこだわります。肌に触れない縫い目の始末の仕方や、動きの激しい子どもも快適に過ごせるように縫製もくふうしています。

FU-KOさんのお洋服は、シンプルで組み合わせの幅が広いのに、お洋服のラインやボタンなど個性的でとても好きです。どんな時にそのようなデザインが生まれるのでしょうか?

FU-KOさん :
ありがとうございます、うれしいです。
洋服のラインが個性的なのは、洋裁を独学で覚えたからなのかもしれません。
子どもの頃から洋服に対するこだわりが強く、市販の服の丈を自分でアレンジしたり、染めかえたり、ボタンを付け替えたりすることも。そのうち「好みのものが無いなら作ろう!」と、いつも何かしら手づくりしていました。
子ども服づくりもその延長線上ですが、「自分の好み」と「娘の好み・着心地」をマッチさせるのはとても苦労しました。けれど、それでこそ私も成長できたのかも。娘は一番のうるさいお客さんですから(笑)

park | 思い出をつくる服 FU-KO Basics.展

ブログ等で拝見するフーコさんの丁寧な暮らしぶりは、参考になることばかり。制作に出版にお忙しい日々をお過ごしですが、お子さんお2人との時間もとても大切になさっているのが印象的です。やらなければならないことが多い時、どうやって家事と育児の両立を工夫されているのでしょうか。小さな工夫の積み重ねなど、教えていただけると嬉しいです。

FU-KOさん :
まだまだ丁寧とは程遠いのですよ。友人からは「きっちりしているのかずぼらなのかよくわからない」とよく言われます(笑)。
モットーは「丁寧に」というよりは「適当に、ほどほどに、いい加減に」。「正しさ」よりも「調和」するように。正しさは時に、自分も周りの人たちも苦しくさせてしまいますから。
毎日の基本となる「寝る」「食べる」ことと、子どもと向き合う時間だけはおろそかにならないように心がけています。どんなに忙しくても8時間睡眠だけはゆずれませんし、豪華ではなくてもじんわりと体が満足するような美味しい物を食べたい。子どもからのリクエストは、しょうもない(くだらない)ことほどすぐに応えます。結果としてお互い心地よくいられるのです。
家事や育児、仕事の両立ですが、「やらなくてはいけないこと」を優先させるよりも、まず「これだけはやりたいこと、ゆずれないこと」を一番に考えて、それならば他のことはどう効率よくやっていこうか、ともすればやらずに済む方法は無いかとか(笑)、知恵をしぼるほうが気持ちが楽だし、性にあっている気がします。
あとは、ほかの人と比べないこと。自分が出来ないことを軽々やっている人をみると、つい比べてしまって落ち込むこともありますが「自分はまだそのレベルじゃないだけだ」と気持ちを切り替えるようにします。

park | 思い出をつくる服 FU-KO Basics.展

今回東京で初めてとなるparkでの展示をどのような気持ちで迎えられるのでしょうか。お越しになるお客様へのおすすめアイテムやコーディネートなど教えていただけますか?

FU-KOさん :
正直とっても心配でそわそわしています(笑)。果たしてお客さまにお越しいただけるのかと。
でもインスタやブログで「楽しみにしています!」「きっと伺います~」とコメントいただいたりすると、心強いです。parkさんの素敵なお店の様子を拝見するのもとっても楽しみ!
この10年の間、人気でずっと作り続けているアイテムをお持ちするので、おすすめは「全部」と言いたいところですが(笑)、今回は在廊期間が短いため、アイテムを厳選してサイズやカラーのサンプルを沢山作って展示する予定です。同じアイテムでも色やサイズによって印象ががらりと変わるので、ぜひ実際に手にとって、眺めて、試着して、お気に入りを見つけてくださいね。

park | 思い出をつくる服 FU-KO Basics.展

FU-KOさんの話される 「調和」という言葉。それはFU-KO basics.にピッタリの言葉だと思いました。育児、家事、仕事、日々の食事や洋服選び・・・どれもそれぞれを独立させ切り離して考えることができないバランスを保ちながら、私たちは暮らしています。暮らしの流れも状況も刻々と変化していく毎日に、しっかりと向き合いながら、その時々の「ちょうどよい」を見つけてらっしゃるFU-KOさん。

暮らしぶりを丁寧だと感じるのは、節目節目のちょうどよい選択をしっかりとなさっているがゆえなのではないでしょうか。様々な場面で違和感なく着られるFU-KOさんの服は、しっかりと調和のとれた服なのだと気づかされました。

「ずっと大切にしたいのは、着心地のよい服です。 袖を通せば思わず頬がゆるみ、心穏やかになれて、いつでも「わたしらしく」いられる服」(フーコさんの新刊「着心地のよい、暮らしの服」より抜粋)

今回インタビューにお答えいただき、フーコさんのおっしゃることを手に取るようにイメージできました。

私自身も長らくフーコさんのお洋服のファンなのですが、彼女のお洋服を着ていると安心感があるというか、気持ちが和む感覚になるのです。作る方の気持ちや温度は、作品を通して伝わってくる。大量生産されたものを着る時には感じられない、貴重な感覚だと思います。

そんなFU-KOさんによるFU-KO Basic.の今回の展示は、東京で初となる大変貴重な展示となります。お見逃しなく!

(文 : 町田紀美子 / 写真 : FU-KOなまいにちより)

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<Profile>
FU-KO / 美濃羽まゆみ
洋裁作家、手づくり暮らし研究家。

京都の築90年以上になる古い町家で、主人と2007年生まれの長女、2013年生まれの長男の4人でのんびりと暮らしています。服作りを始めたのは母になってから。育児で仕事を休んでいた20代後半、細身で標準的な服が合わなかった娘のために洋服を作るようになったのがきっかけ。2008年からFU-KO Basics.を主宰。

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思い出をつくる服 FU-KO Basics.展
会期 : 2018年6月23日(土) 〜 7月1日(日)
定休日 : 月・火・水
営業時間 : 10:00 〜 17:00
会場 : park | 182-0011 東京都調布市深大寺北町1-2-1
作家在廊日 : 6月23日(土)、24日(日)

※ 展示中はサンプルをご用意し、受注オーダー制となります。お洋服のお届けは2018年11月~2019年1月を予定しております。(受注数によってはお届け時期がずれ込むことも予想されます)
※ 写真は実際のご紹介アイテムとは仕様が異なる場合がございます。

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『着心地のよい、暮らしの服』/日本ヴォーグ社
撮影/白井由香里

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